今回女1人でフジロックに初参加した私が感じた当時の気持ちを思い出しながら書きました。
少し長いですが、小説を読むようにコーヒーでも飲みながらゆっくり読んでいただけるととっても嬉しいです。
前編は、「前日〜入場まで」です。
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昼間までの仕事を終えて外に出たら、商業施設のイベントでディズニーのunder the sea が大音量で流れる。歌詞に心打たれて涙目になる。いや、泣いた。
これから私の目の前にはなんの壁もなく、ただただフジロックしかないのだ。なんという幸せだ。
整骨院で肩と腰の施術をしてもらい、電子マネーをチャージ。
自宅に帰った。汗の量が凄かったので一旦水浴びし、着替える。
荷物をまとめ、博多駅へバスで向かう。
大阪までの行きの道中は持ち物問題が発生。初日から洗礼を受けるが、新幹線はそんな事気にも留めずに予定通り新大阪駅へ。
近くの温泉へ入りに行く気持ちの余裕は無かったので、バスの時間まで駅のドトールで時間つぶし。
こんな格好をしていたもんだから、店員のお兄さんは私がこれからどこに行くと思ったのだろう。
ツアーバスの乗り場には他ライブのツアー客も並んでいたが、スタッフさんの誘導のおかげで無事にフジロック列に並ぶ。大阪発結構多いじゃん。
チケットを渡し、いよいよ乗車時間。
列の最後の方だったので、余った2人席を1人で使えた。
大阪弁が飛び交う車内。夜行バス内では全く眠れず。
こうやってただ座っている間にバスが1秒ごとに苗場へ、そしてアンドリューへ着々と近づいているのだ。
そういえば、乗車してから2時間しかしっかり眠れていない。
あまりに眠れないため、全てのPAで下車する。約2時間おきに計4箇所。
暇があれば会場マップを見て、移動スケジュールを考えた。
それ以外の時間は靴を脱いで2人席の座席に体育座りをし、お気に入りのバンドTシャツを着て窓から夜景を見てたそがれる。なんて贅沢な時間なんだ。
気付いたら、段々と空が明るくなってきた。
余裕を持って動くため、3つ目のPAにてまだ暗いうちに早めに支度。着替えて洗顔し、コンタクト入れて化粧。
その間に遠くの山から朝日が昇ってきた。すごく、綺麗だった。
よく分からないけど、いよいよ新潟に着いた様子。
辺り一面は全てスキー場と田んぼ。どこもかしこも。車内からぱっと見てもスキー場5、6箇所はあるんじゃないか。すごいな新潟。
最後のPAにて下車。身体を伸ばして気合いを入れる。空気がおいしい。
乗車し、しばらくすると「苗場スキー場あと21キロ」の看板が。
それから辺りの風景はさびれたコテージと「苗場」の文字に変わっていく。
バスが山を上りだし、標高が上がると窓に雨粒が。
歩いている人がちらほらと見えてきた。
みんなレインウェアを着ている。
着いたら早速ポンチョかと思う。
そしてサングラス必要なしか?とちょっとがっかりする。
あっという間に苗場スキー場へ到着。
みんなもそわそわしていて、早くバスから降りたそうだった。
私はリュックにレインカバーをつけてから最後に下車。
降り立った地は、とにかく大自然でした。雲に手が届きそうだ。
すぐにリストバンドを交換したら、お土産屋さんで適当なものをしばらく迷って購入し、へぎそばとフジロック柿の種とフジロックキャンディをその場でリュックに詰めた。
そのまま荷物預かり所へ。
その間に左手に見えたのがテントの群れと、そして、苗場プリンス。
ああここにアンドリューが泊まってるんだとおもうと感動。どの部屋に宿泊しているのだろうとしばらく妄想を膨らませる。
苗場プリンス前から入場ゲートに向かっているとき、虫の声と、風の音と一面の緑に感動して、もうこの時点で来年も来ようと思った。
そんな私をたくさんのゴンちゃんが見つめていた。
ゲート前に露天があったがこんなとこで食ってる場合は、とスルー。
中洲のキャッチみたいな超怪しいお兄さんがところどころに居た。何喋ってるのか全く聞き取れなかったからどうでもいいや。
テントの群れを横目に見ながら入場ゲートへ。
あ、今年のゲートは布なんだな〜と思いつつ写真を撮り列に並ぶ。思ったより前の方に並べたようだ。
みんな持参した椅子に座って開場時間まで雨の中待つ。ヘリノックス多いな。
開場した。ゲートに近づくにつれ、写真を撮りだす人だらけ。私も性に合わずゲートと自撮りした。2回も。荷物検査も終え、いよいよ会場入り。
進んですぐトイレがドミノのように奥まで並んでいて、ちょっとだけびっくりした。
そのまま止まることなく歩いて橋を渡り、オアシスへ。とにかく、まずは、レッドマーキーを見たかったんだ。
ここで彼らのライブがあるのか。と、今この場に来れた自分とこの時間をちょっとの間噛み締めた。最高だ。
お腹が空いていたのですぐにオアシスへ戻り腹ごしらえ。午後に向けて早めにエネルギー補給をしないといけない。
一周見回して購入したのは五平餅。大自然の中、原始人みたいにワイルドに五平餅にかじりつきながら、そのままドラゴンドラへ直行。
フェスというより山登りでは?という道を進みながら、トレッキングシューズで来たことに喜ぶ私。
五平餅でリズムをとりながらルンルン歩いて、スキップしながら階段を上る。傾斜がとてつもない坂道はキツそうに歩くフリして突然一気に駆け上がる。
あぁ、1人でも十分楽しいじゃん。
(②へつづく)